新型のMarine Gas Oil専焼エンジン搭載船が竣工
商船三井ドライバルク株式会社(社長:菊地和彦、本社:東京都港区、以下「当社」)が建造を進めていた新型のMarine Gas Oil(以下「MGO」)専焼エンジン搭載船が、本日(12月9日)竣工し、運航を開始致しました。
本MGO専焼エンジンは、株式会社ジャパンエンジンコーポレーション(社長:川島健、本社:兵庫県明石市、以下「J-ENG」)が独自に開発した層状水噴射システムを使用し、MGO専焼とすることで燃焼を最適化させ、窒素酸化物(NOx)排出量を抑えつつ、二酸化炭素(CO₂)排出量の削減を実現します。
従来型の主機を採用した船舶より約6%の削減効果が見込まれていた(当社試算)CO₂排出量については、海上公試運転に於いて、試算結果対比で大きな差異がないことが確認されました。更に、燃料としてMGOを使用しますので、主機関低負荷域での運転安定性も従来型の主機関より向上しており、運航スケジュールに応じて更なる減速運転も対応可能です。これにより、商船三井グループが環境の重要課題として掲げている「気候変動対策」「大気汚染防止」に貢献します。また、その他においても以下の特徴を備えています。
●EEDI(*1)Phase 3を達成
従来の同クラスエンジンより燃料消費率を約5%削減(J-ENG社内比)することにより、EEDIPhase3に先行適合します。
●オペレーションの簡易化
MGOはVLSFOより質が良く、使用に際して加熱する必要がないため、燃料系統はシンプルな構成となり、燃料補油・切替時の燃油混合トラブルリスクも低減します。また、重油加熱器の装備及び機器メンテナンスが不要となります。
●メンテナンス作業の負担軽減
安定した燃料品質により燃焼室部品のメンテナンス間隔の延長が可能です。
スラッジによる汚損頻度減少に伴い、燃料フィルターの開放整備頻度減少も期待されます。
(*1)EEDI:Energy Efficiency Design Index(エネルギー効率設計指標)
1トンの貨物を1マイル輸送する際の二酸化炭素排出量。新造船設計時に理論上の二酸化炭素排出量を1999~2008年建造船平均から以下の割合以上削減することが要求される。
各Phaseの削減率:Phase 1=7.5%、Phase 2=15%、Phase 3=22.5%
【本件に関するお問い合わせ先】
商船三井ドライバルク株式会社
経営企画部 ICTコミュニケーションチーム Mail : dbict@molgroup.com