ライナースケジュール

お知らせ

大王製紙向け木材チップ船”VANGUARDIA”が竣工

商船三井ドライバルク株式会社(社長:菊地和彦、本社:東京都港区、以下「商船三井ドライバルク」)が株式会社商船三井(社長:橋本剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)から運航を受託する船倉容積約430万キュービックフィート型の木材チップ輸送船“VANGUARDIA“(読み:ヴァンガルディア、以下「本船」)が8月10日、株式会社大島造船所(社長:平賀英一、本社:長崎県西海市、以下「大島造船所」)にて竣工しました。
本船は大王製紙株式会社(社長:若林賴房、本社:東京都千代田区)向け木材チップ輸送に従事します。

本船はSOxスクラバーやバラスト水処理装置を搭載し、またEEDI(エネルギー効率設計指標)フェーズ3に先行して適合するなど各種環境規制(註1)に対応しているほか、Seaworthy Bow(荒天時の速力低下を軽減する船首形状)や改良型船尾形状を採用した最新鋭船型です。
さらには、電子制御エンジンや低摩擦船底塗料などを採用していることに加え、Advanced Flipper Fins(推進効率向上のための省エネ装置)などの大島造船所開発技術やPBCF(Propeller Boss Cap Fins)(註2)、オートパイロット航路制御機能 ACE(Advanced Control for Ecology)(註3)を搭載し、「商船三井グループ 環境ビジョン2.1」(註4)に即す 環境に配慮した仕様となっています。

商船三井ドライバルクは今後も国内外の製紙会社をはじめとするお客様に向けて、環境に配慮しながら安全・安定的に木材チップを輸送し、資源の安定供給に寄与していきます。

VANGUARDIA (海上公試時)

【本船概要】
全長       209.96m
全幅       37.00m
深さ       22.80m
貨物鎗容積          4,237,833cft

(註1)
排出ガス規制:
国際海事機関(IMO)で採択されたMARPOL(マルポール)条約では、2005年に発効した附属書VIで船舶からの大気汚染防止のための規制が設けられ、以来、国際的な排出ガス規制が強化されてきました。2020年1月からは一般海域の船舶燃料油の硫黄分濃度規制値[MOL1] が0.5%以下に強化され、規制に適合した燃料油の使用、或いは船舶への排ガス浄化設備(SOxスクラバ―)の搭載・使用が求められています。

バラスト水管理条約:
貨物の積荷役に合わせて行うバラスト水の排出は、海洋生物を越境移動させ、海洋生態系に対して影響を与える恐れがあるとして、バラスト水および沈殿物の管制・管理を行う為に2017年9月に発効された国際条約で、批准国はIMOが認証したバラスト水処理装置を搭載し、バラスト水に含まれる生物を基準値以下とすることが求められます。

EEDI (Energy Efficiency Design Index):
1トンの貨物を1マイル輸送する際の二酸化炭素の排出量の指標。チップ船においては、2025年以降の新規契約船にフェーズ3の基準、新造船設計時の理論上の二酸化炭素排出量の基準値から30%削減することが求められます。

(註2)
「PBCF(Propeller Boss Cap Fins)」はプロペラの効率を改善させ、船舶の燃料消費量を削減できる省エネ装置であり、商船三井を中心とした企業グループが開発したものです。

(註3)
「ACE」は船の針路の方位を設定することで、舵を最適に制御し、航路離脱距離や変針回数の低減が見込め、省エネ運航を実現します。 関連プレスリリース:2016年3月15日付「新型オートパイロット航路制御機能“ACE”実船試験にて約1.5%の省エネ効果を確認

(註4)商船三井グループ 環境ビジョン 2.1
https://www.mol.co.jp/sustainability/environment/vision2030/index.html

商船三井グループは、PBCF(Propeller Boss Cap Fins)を含む「さらなる省エネ技術の導入」を今後も推し進め、環境ビジョン2.1の達成に向け前進していきます。

【本件に関するお問い合わせ先】

商船三井ドライバルク株式会社
CSR・広報統括チーム Mail : dbccc@molgroup.com